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私がこどもの頃、両親は共働きで仕事が終わるまでの間、祖母の家に預けられていた。
当時私は全然そんな事ないのに何故か『祖母の家は貧乏』という変な固定観念があり祖母に「何か食べたいものはないかい?」と聞かれた時も(食べ物なんて無いのに無理しないで)なんて思いながら「いらない。大丈夫」と遠慮しまくっていた。
夕方になると、いつも母が私を迎えに来るのですが、近くに同年代のこどももいない祖母の家、正直とても退屈でした。ですので、それまでの間私は絵を描いたり外で犬と遊んだりして時間をつぶしていました。
ある日、いつもの様に私が暇を弄び、外で木の棒持ちながら独りかけっこをしていた時の事。
独りかけっこといっても私の中の脳内では横に4、5人がすでに並んでおり一番端の子はすごく足が速いから気をつけないと!とか、私の隣にいる子は練習のとき手をぬいて本番ですっげ本気出すタイプでテスト前日徹夜で勉強したにも関わらず「俺昨日、全然勉強してねぇよ~やべぇよ~」とか言うタイプとか、とにかく妄想が暴走でした。
私の脳内でのレースはゴールの地点が家の近くにあったドラム缶。そこに先にタッチした人が一位と、どう考えても自分以外一位になる人はいないのですが、とにかくそんな自分ルールを設けておりました。
そして5人が(脳内で)位置につきます(脳内で)先生が(脳内で)「よ~い…」(脳内で)大きく叫びます(脳内で)ドン!!!
いっせいに私(達)は走り出します。私は普段ノロマで、正直、かけっこで一位になった事なんてありません。挙句の果てにかけっこで先頭の方を走っていた子が転んだ時、その子を抜かさないで助けに行き結局ビリになったりするという、何ていうか、頭の弱い子でした。
でも今日は違います。なんてったってアイドル…じゃない。なんてったって脳内競争です。私ごぼう抜き!!超俊足!!いつもビリだと諦めている母親も今日はなんかいけるかも!と、期待に胸を弾ませています!(脳内で)
いよいよドラム缶が見えてきました。私は勢いよくそのドラム缶にターッチ!!!!
ジュワッ!!
ん?ジュワッ?
何だかドラム缶にタッチした瞬間、変な音がしました。
しばらく状況がわからずそのドラム缶に触ったままでいたのですが、徐々に手のひらが熱くなっていきます。
「あついっ!!」
そう思った瞬間、時すでにおそし。
田舎の方ではよく見られる光景なのですが、昔、家の祖母家はゴミをドラム缶に入れて焼くという、エコとか全然興味なし!的な習慣があったらしく、その時も轟々とドラム缶の中は熱せられておりました。それに私がタッチしたもんだからもう大変。
得意の妄想でこの事は無かったことにしようと思い込もうとしたのですが、私の右手は痛いやら熱いやら痒いやらと、自分の手じゃない様な、とんでもない状態。
祖母に言って何とかしてもらおう!と、一瞬思ったものの、そういえば祖母の家は貧乏。きっと手当てする薬なんて無いに決まってる!!と、また思い込み、祖母の家に帰り、火傷した事は内緒で
「水遊びするー!」
と言いながらずっと右手を水の中に入れてました。日が暮れるまで。
だけどそんな時に限って母の迎えは遅い。夜の7時を過ぎても母はやって来ません。時間も時間で祖母が「そろそろ家に入りなさい」と、私を呼びに来ます。
もうその頃は手なんかフヤフヤな状態でしたがちょっとでも手を出すと痛い、痒い、熱いと、頭おかしくなりそうな痛み。意地になって「やだ!水遊びまだする!!!」と言って頑としてそこから動きませんでした。
母が迎えに来てからも私はその場から離れず、みんな私のおかしな行動に?な状態。
帰り車に乗るときは水から手を離さなければなりません。しょうがなくその場から離れ車に乗り込みます。
するとね、やっぱり痛い、痒い、熱い。
とうとう私は泣き出しました。事情を話すと母はそんな私を見てびっくり。物凄いスピードで病院に連れていかれました。
私、なぜか病院の記憶だけ頭からスッポリ抜けているのですが、どうやら右の手の平の皮を綺麗に剥かれたらしい。そうしたからかは分かりませんが、今は火傷の跡も全く無く、綺麗な手のひらをしております。
後日、母に「どうしてすぐ言わなかったの?」と聞かれたとき「だって貧乏だから包帯とか無いと思って」と言ったら「確かに貧乏だけど包帯くらいあるでしょ。馬鹿じゃないの?」と、怒られました。
私は怒られながら(あ、やっぱり貧乏なんだ…)と、妙に納得したのでした。
そんな話。
※ちょっと汚い話ですが、火傷した時周りに薬とか何も無い場合は布に尿をかけそれをあてると良いらしいです。アンモニアだからね。祖母が言ってました。戦争を知らないこどもより。
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